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mokky14's IT diary

IT関係の仕事メモ、勉強会の感想など書いてます。

POStudy Day 2015 Winter in Sendaiに行ってきた

アジャイル 勉強会

2015/3/8のPOStudyのレポート。

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はじめに

キャズム理論

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進行形のプロダクトが、今どの状況にいるかは分からない。 (iPhoneを今使ってる人はアーリーマジョリティ? レイトマジョリティ?) 後から振り返った時に「あの時はこの位置だった」と言える。 現在進行形のプロダクトについては「今どのあたりにいるか?」と仮説を立てて戦略を立てる必要がある。

興味を持って先行投資的に買ってくれる人達と、世間一般で「大丈夫だ」と認知されてから買う人達の間には、大きな壁(キャズム)がある。

アーリーアダプターをどうやって見つけるかが午前中のセッション。
イノベーターは探す必要はない。向こうから飛びついて来てくれる。

持っている課題に対し、仮説を立てて、それに対してどういうフィードバックが得られて、新しい仮説を立てるのが午後のセッション。

プロダクトマネジメントのライフサイクルについて

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  1. 現状分析を行う。
  2. どこを攻める(ターゲット、エリア、サービス等)かを考える。(会社であれば上司とのすり合わせも行う)
  3. 「いつどこの誰の課題を、どういう解決策で解決して、どんな未来を作ることが出来て、その先にある価値は何か?」を考える(初期仮説)
  4. 「その課題を持っている人は本当に居るのか?」「解決策は有用なのか?」といった仮説の検証、見直しを行い、仮説検証をやり直す。
  5. ある程度検証が出来たら、プロダクトのリリース(ベータ版等)を行う。

仮説検証の方法として、製品のプレスリリースの検証がお勧め。 これから作る製品のプレスリリースを作成して、それをプレゼンしてみる。 論理矛盾を見つけやすい。

午前のセッション

LeanDiagramを作成する。

LeanDiagramとLeanCanvasの違いについて

他のビジネスモデルの検討を行うフォーマットにLeanCanvasがある。

LeanCanvasでは課題、解決策、対象顧客、独自価値を上段に、収入と支出を下段に書く。 LeanCanvasを使用した時のありがちな失敗として、数字(収入と支出)にばかり時間を割いてしまい、課題や独自の価値にはほとんど時間を掛けない事がある。 その結果、仮説検証を行うと全然ダメだったりする。肩書がある人はその傾向が特に強い。

数字を考えずに、課題解決と価値に思考を集中させるために作ったのがLeanDiagram。

LeanDiagramフォーマット

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左上の箱か、右上の箱から書き始める。 次に書けるのは、隣り合った箱か、実線で結ばれた箱のみという制約がある。 (左上の箱から書き始めたとき、次に書けるのは、左上2番めの箱か、右上1番目の箱のみ)

2箇所の点線は、論理矛盾がないかの確認を促すための箱。
左の点線は、左2と左8が同じ内容になっていないかを確認するための線。同じ内容になっていたらやり直した方がよい。
右の点線は、右2と右4の内容が合っているかを確認するための線。右2が痛み止めなのに、右4が治療薬の内容になってたりしないかを確認する。

課題・動機・原因、最終的に支払う責任者

病院の待ち時間が長くてイヤだと言う人に、4万円で待ち時間を半分にする、と言っても払う人はまず居ない。
でも、病院の経営者であれば、 待ち時間が短くなる→時間辺りの診察患者数増→診察点数が増えて収入増 なので、お金を払っても解決したいと考えるかも知れない。

支払ってもらおうと想定する人にとって、その課題は苦痛(お金を払ってでも解決したい)なのか、愚痴(文句言うだけでお金を出す程のものではない)なのか、判断する必要がある。

ある課題について、その課題を解決したいと考えてる人は複数種類いる。 最初に思いついた課題と困ってる人から、その課題を苦痛と感じてる人は誰? 苦痛と感じてる人が困ってる課題は何? ととブラッシュアップしていく。 課題の根本原因と、その根本原因を解決したい人の最終責任者(支払い権限ある人)を書く。

最初のターゲットを間違うと、この後の検討にいくら時間を掛けても無駄になってしまうため、一番重要。 ここは時間を掛けて考える必要ある。

代替手段
項目 説明
代替手段 現状の手段
使用理由 代替手段を使用している理由
顧客通貨 その課題を解決する事によって、最終支払責任者が得る価値、対価。
売上が上がるのであれば金額、移動手段の高速化であれば時間、等。

既存の代替手段がない所に新しいビジネスは発生しない」という人もいるくらい、「今どうしてるか?」は重要な項目。なお、今全くない新しいビジネスモデルの検討は、このフレームワークの対象外。

Early Adapter

Early Adapterを探すための項目。

項目 説明
キーワード 課題を持った対象者が足を止めてみてしまうようなキーワード。
「私の年収、低すぎ..?」みたいなやつ。
顧客の状況 対象者の状況
どこにいるか? 対象者に会いに行きたいとき、いつ、どこに行けば会えるか。
(仮説検証のため、対象者に会うにはどこに行けばいいか)

なお、ここで対象とするのは、意思決定者(最終責任者)の元で働いている、課題に悩んでいる現場の人(「売上上がらなければクビ!」と言われて悩んでるリーダー等)。

独自価値(「提案」の妥当性)

大企業(GoogleMicrosoft、Yahoo、楽天、etc)が同じビジネスをタダで始めたときの差別化要因は何か? これがないと大企業が同じビジネスを始めた時に負ける。

Value Propositionという独自価値を考えるためのフレームワークがある。 f:id:mokky14:20150328073442p:plain

顧客のしたい事に対して、

  • 嫌なことを減らす
  • 嬉しさを増す

ための方法を価値とする。両者はそれぞれアプローチが異なる。

検討には時間がかかるので、独自価値を考えるのが難しい時に使った方がよい。

顧客に何をお願いするか?

新サービス導入時は、お客様には以下4つのコストを払ってもらう必要がある。

  • イニシャルコスト(サーバ購入費、会員登録費等)
  • 既存の代替手段からの移行コスト(データ移行コスト、業務フロー作成コスト等)
  • 既存の代替手段を捨てるコスト(サーバ解約費、保守解約費、担当解雇費等)
  • ランニングコスト

このコストを払ってでも得られる顧客通貨が大きければ、既存の代替手段からの乗り換えを考えてもらえる。

解決の仕方

解決の仕方。

  • 治療薬 - 問題を根本的になくす(痛みをなくす)
  • 痛み止め - 100困っているのを50や10に減らす(痛みを和らげる)

治療薬と痛み止めではビジネスモデルが異なる。

  • 痛み止めの場合、痛みの和らげ方(移動時間が短くなるのに伴って料金上がる、等)が差別化要因になる。
  • 治療薬の場合、痛みがなくなるのが前提で、痛みをどのようになくすか(痛みゼロにするのに掛かるお金、時間)が差別化要因になる。

内容の検証

  1. 左と右を比べて論理矛盾がないか確認する。
  2. コストを払っても得られる価値が高いかどうかを確認する。
  3. 課題が存在していて、検討した内容で解決できたか確認する。

実践

検討内容は省略。 やってみた感想。

  • 課題が深堀り出来なかった。個人の感情を書いたのみで、「なぜその状況が発生するのか?」まで考えなかった。
    課題はこの表とは別に検討した方が良さそうに思った。(マインドマップ使う等)
  • 問題に対してお金を払ってくれるかも知れない人(支払責任者)が複数種類居そうだったので、それぞれの支払責任者に対して検討してみるのもアリかも。
  • 実務で使おうとした時、検討に時間をどれだけ掛けるかは難しい。(幾らでも時間を掛けられそう)

午後のセッション

デザイン思考とは

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顧客が欲しいものを考えるため、顧客をきちんと観察する。 顧客の観察は実在の顧客を対象にする。仮想顧客(ペルソナ)ではダメ。

イデアを生み出す、プロトを見せてフィードバックを貰ってプロトを作り直すことを繰り返す。
顧客のフィードバックの積み重ねで顧客が本当に欲しいものを提供する、というのがデザイン思考の定義。

デザイン思考の3つのレンズ

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デザイン思考における7つの心構え
  • 言うのではなく見せる
  • 人々の価値観に焦点を当てる
  • 素早く形にする
  • 行動第一
  • 徹底的な協働
  • 過程に注目
  • 明快な仕事
デザイン思考は0/1ではない

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デザイン思考は、分析もするけれども、相手が欲しいものは直感的に決めたりする。 分析的思考と直感的思考の両方の側面を持っている。

デザインプロセス

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上記5つのプロセスをn回繰り返す。

  • 共感
    人間に対する深い共感
  • 問題提起
    どこを攻めるか 着眼点を決める 課題の設定
  • 創造
    イノベーションの可能性を広げる 生成と評価を分ける
    人間の思考の手順には発散と収束というフェーズがある。両者は日にちや時間を分けて検討した方がいい。チームで検討する時はどちらのフェーズかを共有した上で検討する。
    発散にはアナログなツール(ポストイット等)が向いている(発散のときにデジタルなツールを使うと効率が悪い)。収束にはデジタルなツール(Excelマインドマップ等)を使うと収束させやすい。
  • プロトタイプ
    イデアを目に見える形にする。ペーパープロトタイプ、紙芝居、モック等。
    早く作って検証する事が目的なので、時間を掛け過ぎないよう注意。
  • テスト
    ユーザが生活する日常の中で試す フィードバックをもらうことでユーザに対するより深い理解を得る

ユーザのフィードバックを元に、新たな仮説を立てて、プロトタイプを作って、フィードバックをもらうというのが、デザイン思考のプロセス。

実践

d.schoolの「お財布プロジェクト」ワークショップ。 二人一組でペアになり、相手が欲しい財布を作る。

やった事。

  1. パートナーに、今使っている財布と財布の使い方、今困っている事、理想とする財布などをヒアリング。
  2. ヒアリング内容を元に、仮説を立てる。 「~さんは~が欲しい。なぜなら、~だからだ」
  3. パートナーに視点を変えて再度ヒアリング。財布を使う本人に視点を向ける、財布と持ち主の関連等も聞く。
  4. ヒアリングした内容を元に、「財布以外の方法」で課題解決するアイデアを六個検討。
  5. 六個考えたアイデアをパートナーに見せて、気に入ったアイデア、気に入らないアイデアをヒアリング。
  6. ヒアリング内容を基に、パートナーの理想の財布を考える。
  7. プロトタイプ作成。
  8. プロトタイプを見せてフィードバックをもらう。
  9. フィードバックをプロトタイプに反映。

自分が作成した財布のプロトタイプ

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ポイントカードを店舗毎に何枚も持たなくて済むように、ポイントを1枚のカードに集約させて、最小限のカードさえ持てばよいようにした、というのがポイント。

感想

  • パートナーへのヒアリングがうまく進められなかった。パートナーの考えをあまり引き出せなかった。
  • イデアは、断片的なものでも、荒唐無稽なものでも、とにかくパートナーにぶつけてみる事が大事。 相手にぶつけてみないと何も返ってこない。
  • 実現性をどの時点で考えるか難しい。アイデア出すときに実現可能性まで考えるとアイデア出なくなるけど、パートナーにプロトタイプを見せるときに実現性がないものでは意味が無い。

ヒアリング方法、過去に樽本さんにヒアリング方法のワークショップやってもらったのを思い出した。(その当時はブログ書いてなかったので記録残ってない。。) この時のワークショップでは、ユーザが店に入ってから出てくるまでにする事を順番に聞く、という事をやってたので、今回もパートナーが財布を使用する場面について、店に入ってから出て行くまでやる事を順番に聞いてくとか、やってみたら良かったのかも。

おまけ

ポストイットのめくり方、貼り方

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重なっても大丈夫なように、糊面を下にして貼る方法もお勧め。 (糊面を上にすると、ポストイットを重ねる時に、ポストイットの上にポストイットを貼るようになるため、重ねすぎると重みで落ちる)

デザイン思考について調べてたら見つけたのでリンク貼っとく。 www.designthinking.or.jp