2015/4/16のAgile Japan 2015 仙台サテライトのレポート。
基調講演1:アジャイル・テスティング ~ チーム全体のためにテストとテスターができることを学ぶ旅
Janet Gregoryさんによる講演。Janetさんは『実践アジャイルテスト』の共著者。
t.co
分散したチームでのテスティングの話。 開発は一拠点に集まって開発を行うのがBestだが、色々な事情により、分散して開発せざるを得ない場合がある。
分散開発の問題
- フィードバックが遅くなる(質問に対する回答が24H後になる等)
- コミュニケーションのコストがかかる
- ダイバーシティ
- 歴史の違い
- 習慣の違い
- 言語が違う
- 挨拶のやり方が違う(握手、ハグ等)
テスティングに特定した課題
対策
コミュニケーション
- 情報(意思決定、計画作り会議、議事録等)を全員にオープンにする。
- 均等に機会を与える。全員が会議に参加出来るようにする等。
- コミュニケーションツール(メール、電話、SNS等)を必要に応じて使い分ける。
コラボレーションツールを使用
メンバー間での会話がある事が大事。 Janetさんが本を書いた時は、パートナーとお互い何を考えているかをMindMapで共有して書いた。
テストを通して共通理解を作る
人によって、作業の「完了」のレベルは異なる。 作業をテストの形で書いて、その内容について確認(会話)することで共通理解を作る。
「早いフィードバック」が大事。
学ぶことが出来る環境
失敗から学ぶことが出来るようにする。
異なるチームに対して、文化は簡単にコピーできない。 振り返りが大事。
信頼関係を作る
互いの状況を理解することで、相手を気遣うようになる。
全員に見えるようにすることが大事。
適応する
自分のSafe Zoneから出て、周りと話をしましょう。
基調講演2:デジタル革命には アジャイルがよく似合う
横塚 裕志さん(東京海上日動システムズ株式会社顧問)による講演。
デジタル革命
- 富士フィルムの本業はもうフィルムではない。
- 3Dプリンタで車や家の部品が作れる。
- リアルタイム翻訳システムが今年中にできる。
- 2014年ワールドカップで優勝したドイツは、選手の靴にセンサー付けてデータを取った。
- 某便器メーカは、毎朝の尿からその人の健康状態を判定するセンサーを開発してる。 → 医者が不要になる。
- 自動車の運転が自動化されると、交通事故が起きなくなる → 自動車保険が不要になる。
- 防犯カメラの精度や監視機能が向上する。 → 警察が不要になる。
今後、少し頭を使うような作業(銀行の融資担当、保険の査定など)はコンピュータに取って替えられると言われている。
この世界で生き残っていくには?
デジタルビジネスの特徴
競争の軸が変化する。 新聞を例に取ると、紙の時は正確さが大事にされたが、デジタルではスピードが大事になる。
競争優位は続かない。
企業に常にイノベーションを続ける体力が求められる。
勝ち残るためには、「テクノロジーが実現する新しい価値作り」が必要。
企業が「売れる」と思うかは関係なく、お客様が価値を感じるものでないと売れない。
価値作りのための4つの視点
Customer Centric
自動車を作ってる人は、自動車の運転を自動化しようとは考えない。 「運転するの面倒くさい」と考えるお客様目線で考えないとダメ。
考えるためのメソッドとして、デザインシンキングがある。
デザインシンキングでは、プロトタイプを作ったり、実際に体験したりする。 座学だけでは意味がない 。
Collaboration
対話することで気付きが得られる。
- ビジネスとエンジニア
- チームとお客様
一緒にどういうものを作るか考える。 考える人と作る人を分離しない。
Visible
見えるようにする。見えるようになれば工夫できる。言葉だけでは分からない。
プロトタイプを作るなどして見える化する。
Iterative
お客様に見てもらって改善していく。改善、改善、改善。
これから新しいサービスを作ろうとして、最初から良い物を作れるわけがない。
お客様の反応を見ながらフィードバックを受けて改善していく。
常にお客様のフィードバックを得ながら改善していかないとビジネスで勝ち残っていけない。
「ウォーターフォールかアジャイルか」なんて議論やってる場合じゃない。もうアジャイルに決まっている。
Agile is Mind-Set
昔ながらのマインドセットではダメ。 フランクにお互いの言うことをよく聞いて戦略を立てる。
3年先を考えるなんて無理。4半期くらいで見直さないとダメ。 敵は自分の業界の外から来ることもある。
今変わらないと、10年後、日本はタダの部品メーカに成り下がる。
アジャイルするためにはBA(Business Analysis)スキルが必要。
ビジネスイノベーション、アジャイル、ビジネスアナリシスは1セット。 個別で考えるものではない。
ビジネス側に提案できるようになることは技術者の責務。
午後の仙台セッションに続く。
リンク
Janetさんの著書。
実践アジャイルテスト テスターとアジャイルチームのための実践ガイド (IT Architects’Archive ソフトウェア開発の実践)
- 作者: Janet Gregory,Lisa Crispin,榊原彰,増田聡,山腰直樹,石橋正章
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2009/11/28
- メディア: 大型本
- 購入: 3人 クリック: 142回
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まとめ:
2015/04/16(木) Agile Japan 2015 ~午前~ #agilejapan - Togetterまとめ
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